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バングラデシュに対する渡航情報(危険情報)の発出
●全土
   :「渡航の是非を検討してください。」(継続)
                                    → 地図

1.概況
(1)総選挙をめぐる情勢
   2007年1月に総選挙が予定されていましたが、前野党連合によるボイ
  コット表明等により選挙の実施が困難となり、1月11日、大統領は、非常
  事態宣言を発出して事態の沈静化を図りました(新たな選挙日程は未
  定)。現在、選挙管理内閣が政党による過激な政治活動を押さえており、
  治安は一応安定しています。

(2)テロ・誘拐
   過去に政治集会や政府施設に対する爆弾事件が起きており、政治的
  性格の爆弾テロ事件等が発生する可能性も否定できません。最近の爆
  弾事件では、駅、イスラム聖廟、映画館、民衆演芸場などのいわゆる「
  ソフトターゲット」が狙われ、一般市民も被害に巻き込まれています。ま
  た、チッタゴン丘陵地帯は、過去に外国人誘拐事件が発生しているほか、
  民族対立が継続する等政治的に不安定な地域です。

(3)一般犯罪
   一般犯罪が増加・凶悪化する傾向にあります。政府は2004年に陸軍、
  海軍、警察、国境警備隊の精鋭からなる緊急行動部隊(Rapid Action
  Battalion)を組織する等様々な対策を講じてきましたが、当初は高い成
  果を上げたものの再び治安が悪化するようになり、特にダッカ市内で
  は、銃器を使用したギャングによる強盗・殺人事件が頻繁に報告されて
  います。
2.地域情勢
(1)チッタゴン丘陵を除く地域(首都ダッカを含む)
  :「渡航の是非を検討してください。」

 (イ)2006年10月27日の国会解散を受け、2007年1月22日に総選挙が実施
   される予定でしたが、前連立政権与党の中心であったバングラデシュ民
   族主義党(BNP)が率いる4党政党連合と前野党連合の中心であったア
   ワミ連盟(AL)が率いる14党政党連合との間で、総選挙実施の合意に至
   らず、アワミ連盟率いる14党連合は、選挙改革が充分でないとの理由で
   総選挙への不参加を表明し、1月22日の総選挙が延期されない場合に
   は、全国でハルタル(ゼネスト)を実施するとともに投票を妨害する旨、さ
   らに総選挙が実施された場合には、それ以降無期限の全国ハルタルを
   行う旨発表しました。
 (ロ)2007年1月12日、アーメド大統領は、非常事態宣言に続き、法的秩序
   と経済活動の効率性を維持することで国家と国民の安全を確保するた
   めとして、非常事態権限令(2007)を公布しました。同権限令により制限
   される可能性がある社会経済活動のうち、在留邦人及び邦人渡航者、
   日系企業に影響があり得る部分は次のとおりです。

   (a)新聞、書物、文書の印刷及び出版、報道
   (b)郵便、ラジオ、電文、テレックス、ファックス、インターネット、電話を
      通じての全ての通信及び報道
   (c)貿易及び商取引活動、電力の使用、供給、分配
   (d)全ての個人のバングラデシュへの入国、滞在、訪問

    また、同権限令により、非常事態宣言下での規則及び秩序を犯した
   者を裁判にかけ、死刑、終身刑又は14年の懲役刑及び罰則を科すこと
   が可能となります。なお、上記を実施に移すためには別途個別の規則
   を定める必要がありますが、現時点では個別の規則は定められていま
   せん。
 (ハ)2007年1月12日夜、アーメド大統領の首席顧問職辞任を受け、ファク
   ルッデイン・アーメド新首席顧問が就任しました。4月12日、同首席顧
   問は、2008年末までの選挙実施を表明するとともに、これまでも非常
   事態宣言下であっても国民の基本的人権を尊重するように努める旨を
   表明しています。非常事態宣言下であるため、状況が再度悪化する可
   能性はありますが、選挙管理内閣は、汚職撲滅、犯罪者検挙といった
   社会悪の一掃にも取り組んでおり、国民はこのような対応をおおむね
   支持しているとみられるため、暴動が起こる可能性もあまり高くないと
   言えます。2008年末までの総選挙実施に向けて、政治活動の禁止措
   置の解除を求める政党側の要求が強まってくる等、政党側の活発な
   動きが予想され、今後の動向が注目されます。
 (二)同地域への渡航を予定されている方は、渡航の是非を含め自らの 
   安全につき真剣に検討を行い、十分な安全対策を講じるようお勧めし
   ます。既に滞在している方は、不測の事態に備え、現地報道の確認、
   在バングラデシュ日本国大使館との連絡を密にするなどして最新情報
   の入手に努め、衝突が発生している地域への不要不急の外出を避け
   てください。やむを得ず外出する際は群衆が集結しそうな場所に近寄
   ることは避けるとともに、自己防衛手段を常に念頭に置くなど慎重な
   行動を取ってください。

(2)チッタゴン丘陵地帯(カグラチョリ県、ランガマティ県、バンドルボン県)
  :「渡航の是非を検討してください。」

 (イ)南東部のインド及びミャンマーと国境を接するチッタゴン丘陵地帯には、
   13のモンゴロイド系少数民族がおよそ100万人居住しています。バング
   ラデシュ独立後、同地帯では自治権要求運動の盛り上がりや新たに入
   植してきたベンガル系住民との対立を背景に少数民族で構成する反政
   府組織が結成され、多くの死傷者を出す抗争が度々発生してきました。
 (ロ)1997年12月になって抗争はようやく沈静化し、同地帯において外国人
   が巻き込まれる事案は、2001年、欧州人技術者3人が武装集団に誘拐
   された以降は発生していません。しかし、同地帯における入植ベンガル
   系住民と少数民族との対立は今も完全には解消されておらず、また、
   少数民族間の内部対立による抗争事件も報告されています。
 (ハ)つきましては、同地帯への渡航を予定されている方は、上記事情に
   加え、現在全土に非常事態宣言が発出された状況下にあることを念頭
   に、引き続き最新の情勢に十分注意を払い、渡航の是非を含め自らの
   安全につき真剣に検討を行い、十分な安全対策を講じるようお勧めし
   ます。なお、同地帯への入域に際しては、入域72時間前までに各県事
   務所(Deputy Commissioner's Office)に入域者氏名、日程、入域エ
   リア等を通報することになっています。

3.滞在に当たっての注意
  滞在中は下記(1)の事件・事故の具体例に十分留意した上で、下記(2)
 (3)に注意し、危険を避けるようにしてください。また、外務省、在バングラ
 デシュ日本国大使館、現地関係機関等より最新の情報を入手するよう努め
 てください。万一、事件・事故に巻き込まれた場合には在バングラデシュ日
 本国大使館に連絡してください。

(1)事件・事故の具体例
 (イ)2005年8月に発生した全国的な同時多発爆弾事件の主犯格とされたイ
   スラム過激派組織ジャマトゥル・ムジャヒディン・バングラデシュ
   (JMB)の首領を含む主要幹部は、2006年初めに逮捕され、司法によっ
   て裁かれていますが、その後も、拠点等から相次いで武器・爆発物等
   が押収されるなど、活動が完全に沈静化していないことが伺える報道
   が度々なされています。
 (ロ)2007年5月1日には、ダッカ市カマラプール鉄道駅、チッタゴン鉄道
   駅、シレット鉄道駅において連続爆弾テロが発生し、チッタゴンでは
   1人が負傷しました。事件現場からは、イスラム教系過激組織ジャディ
   ッド・アルカイーダ・バングラデシュ(Jadid al-Qaeda Bangladesh)
   の名が刻まれた金属板が発見されており、また金属板には、全てのNGO
   職員は5月10日までに職を辞する必要がある旨、また全てのアフマディ
   ー教団のカーディヤーニー派は、ムハンマドを預言者として認識しな
   い場合には死ぬ事となる旨記されていました。同組織はまだ摘発され
   ておらず、再度テロ攻撃を行う可能性がありますので、今後の動向に
   注意する必要があります。
 (ハ)深夜や早朝に空港と市内を移動中に強盗被害に遭うケース、市内を
   リキシャ(自転車を利用した人力車)、オートリキシャ(小型のオー
   ト三輪)等で移動中、強盗やひったくりの被害に遭うケースが報告さ
   れています。
   (a)2004年8月、日本人旅行者が夜間ダッカ市内からタクシーで空港
    に向かう途中、運転手と共謀していたと見られる強盗に金品を奪わ
    れ負傷する事件が発生しました。
   (b)2006年1月、日本人旅行者が早朝にリキシャで移動していたとこ
    ろ、後方から来た乗用車から身を乗り出した男にショルダーバック
    をひったくられ、その際にリキシャから転倒し引きずられたため怪
    我を負う事件が発生しました。
   (c)ダッカ市内では、これまで比較的安全とされていたグルシャン、
    ボナニ、バリダラ等の地区でも被害が発生しています。2004年8月に
    は、夜間、グルシャン地区でオートリキシャに一人で乗車していた
    日本人が停車した際に乗り込んできた3人組の男に金品を奪われる事
    件が発生したほか、リキシャ乗車中にカバンをひったくられる事件
    が発生しました。地元警察によると、このような強盗やひったくり
    事案がこのエリアだけで毎月2~3件発生しているとのことです。
 (ニ)2005年10月、日本人が、ジア国際空港のミーティングポイントで声
   をかけてきたバングラデシュ人を、迎えに来るはずであった知人の関
   係者であると思いこみ、そのバングラデシュ人に一時的に軟禁され身
   代金を要求される事件が発生しました。事件はその後、現地治安当局
   により無事解決されましたが、一歩間違えば被害が大きくなっていた
   可能性がありました。
    また、これ以外にも空港においては、親しげに声をかけてきた男
   が、半ば強引に荷物等を運んでしまうことにより、有無を言わせずに
   金銭を要求するという事例が散見され、注意が必要です。
 (ホ)2005年12月、インド東北部のチョングラバンドラからバングラデシ
   ュのフルバリを経由してダッカに到着する長距離バスに夜間乗車した
   日本人旅行者が、あらかじめバスに乗車していた強盗集団に脅迫さ
   れ、頭部、顔面等を殴打されるなどの暴行を受け、走行中のバスから
   転げ落ちて全身を負傷するという事件が発生しました。バングラデシ
   ュにおいては、地方都市の主要幹線道路を通常ハイウェイと呼び、こ
   ういった集団強盗を「ハイウェイ強盗」と呼んでいますが、地方都市
   では比較的頻繁に発生しており、そのほとんどが夜間走行中のもので
   す。近年、「ハイウェイ強盗」が多発したことから、政府も対策に乗
   り出し、2005年6月11日にはハイウェイポリスを増員するとともにパト
   カー等の警察車両も増強してはいるものの、同種の事件は後を絶たな
   いため、長距離バスの特に夜間の乗車は可能な限り避けるなどの注意
   が必要です。
 (ヘ)2006年8月、空港からのバスを利用した邦人旅行者が、隣の席に座っ
   たバングラデシュ人より勧められた飲み物を飲んだところ、すぐに昏
   睡状態となり、所持品を全て奪われる事件が発生しました。また、こ
   うした睡眠薬を使用した昏睡強盗による被害は、現在も引き続き発生
   しているため、知らない人から勧められた飲食物には絶対口にしない
   など、十分な注意が必要です。

(2)渡航者全般向けの注意
 (イ)犯罪への注意
   (a)夜間や早朝にリキシャ、オートリキシャ等を使用しない。
   (b)リキシャ乗車中は、転倒防止のためショルダーバックを斜め掛け
    せず、シートと腰の間などの、ひったくり犯から手が届きにくい位
    置に置く。
   (c)リキシャ、オートリキシャ等は、可能な限り複数人で利用する。
   (d)英語を流暢に話す「リキシャ」引きには慎重に対応する。(強盗
    グループの一味である可能性がある。)
   (e)強盗に遭遇した際は、犯人が刃物等の武器を所持している可能性
    が高いことから、抵抗したり大声で叫んだりせず、冷静に相手の指
    示に従うようにする。
   (f)女性は肌の露出の強い服装を避ける。
   (g)不測の事態に巻き込まれないよう、政治集会、不審車輌、宗教関
    連施設、バスターミナル、市場、映画館など人の多く集まる場所に
    は近寄らない。
   (h)空港で親しげに声を掛けてくる人間には付いていかない、荷物を
    運ばせない。
   (i)旅先で出会った親切なバングラデシュ人の家に招待された際は十
    分に警戒する。また、安易にビザの保証人にならない。
 (ロ)雨期と洪水
    通常6月から10月頃の雨期には、しばしば洪水が発生し、各種伝染病
   が流行することもあります。2004年には大洪水が発生し、道路、家
   屋、農地等に甚大な被害をもたらしました。この季節に渡航する場合
   は十分に気を付けてください。
 (ハ)ハルタル(ゼネスト)
    ハルタルは、主に野党が政府に対する抗議活動として実施するもの
   で、ハルタル期間中は、商店等は営業を停止するほか、抗議団体によ
   りデモ等も行われるため、交通にも大きな支障が出ます。また、デモ
   隊と治安部隊との衝突に至った場合は、投石や車両の破壊などに至る
   ことがあります。多くの場合、ハルタルは事前に予告されますので、
   外出を控えるなどして回避することが可能ですが、突発的に起こるこ
   ともありますので、万一、ハルタルに巻き込まれた場合には、直ちに
   その場から離れるなど、身の安全を第一に考え行動してください。
 (ニ)交通機関利用上の注意
   (a)河川を渡るフェリーや観光船以外にランチ(Launch)と呼ばれる
    長距離客船が広く利用されていますが、2005年以降、既に2隻が転覆
    し、数百名の乗客が死亡又は行方不明になっています。ランチはそ
    の安全性を無視した設計に加え、しばしば定員をはるかに上回る乗
    客を乗せて運航されるため、ランチの利用は差し控えるようお勧め
    します。
   (b)国内を走る長・短距離バスの中には、日本の安全基準では考えら
    れないような整備不良の車や定員を遙かに超過した運行が散見され
    ます。また、スピード超過や交通法規を守らない運転手も多いた
    め、十分な注意が必要です。
 (ホ)海外旅行傷害保険への加入
    バングラデシュ滞在中に、事件・事故に巻き込まれたり、病気にな
   るなどして病院を利用する方が増えています。首都ダッカではある程
   度の治療は可能ですが、手術や更に設備が整った施設への搬送が必要
   となった場合には、医療施設の整った隣国への緊急移送、あるいは日
   本への帰国が必要となります。保険に加入していない場合は、高額の
   費用を自己負担せねばならないため、結果としてバングラデシュ国内
   での治療を選択せざるを得ない状況に追い込まれることもしばしばあ
   ります。バングラデシュに渡航する場合は、緊急移送サービスを含む
   海外旅行傷害保険への加入をお勧めします。
 (へ)医療事情
    都市部を含むバングラデシュ全土において、デング熱が流行するこ
   とがあります。また、チッタゴン丘陵地帯等マラリアの流行地域もあ
   ります。蚊に刺されないよう蚊取り線香や、蚊帳、殺虫剤、虫除けス
   プレーを使用する等防蚊対策には十分注意してください。また、腸チ
   フスも多発していますので、飲料水、氷、生野菜等の食べ物には細心
   の注意を払ってください。なお、日本に帰国して以降、原因不明の高
   熱が続いた場合には、バングラデシュに滞在していたことを病院に告
   げ、専門医に診断してもらうようにしてください。
 (ト)短期渡航者がバングラデシュに滞在中に緊急事態が発生した、また
   は発生しそうな場合には、安否確認、緊急時の連絡などに必要ですの
   で、在バングラデシュ日本国大使館に所在場所を連絡してください。

(3)長期滞在者向けの注意事項
 (イ)現地に3か月以上滞在される方は、緊急時の連絡などに必要ですの
   で、到着後遅滞なく在バングラデシュ日本国大使館に「在留届」を提
   出してください。また、住所その他届出事項の変更及び帰国の際(一
   時的な旅行を除く)は、その旨の届出(変更及び帰国届)を必ず届け
   出てください。なお、在留届の提出は、郵送、FAXのほか、インターネ
   ット( http://www.ezairyu.mofa.go.jp/ )によっても行うことがで
   きます。
 (ロ)在バングラデシュ日本国大使館では、ハルタル(ゼネスト)情報や
   各種情報をEメールで随時提供しています。受信を御希望の方は、大使
   館領事部( consular@embjp.accesstel.net )まで御連絡ください。
 (ハ)不測の事態に備え、食料、飲料水等を備蓄しておくとともに、パス
   ポート、貴重品、衣類等をいつでも持ち出せるように準備しておくよ
   うお勧めします。また、退避手段についても常時確認しておいてくだ
   さい。


(問い合わせ先)
 ○外務省領事局海外邦人安全課(テロ・誘拐に関する問い合わせを除く)
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)5140
 ○外務省領事局邦人テロ対策室(テロ・誘拐に関する問い合わせ)
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)3679
 ○外務省海外安全相談センター(国別安全情報等)
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902
 ○外務省 海外安全ホームページ: http://www.anzen.mofa.go.jp/
 ○在バングラデシュ日本国大使館
  住所:Plot No.5 & 7, Dutabash Road, Baridhara, Dhaka, Bangladesh
  電話: (880-2) 8810087
  ホームページ: http://www.bd.emb-japan.go.jp/

テーマ:渡航情報、危険情報 - ジャンル:海外情報

【2007/05/17 03:25 】 | アジア地域の渡航情報 バングラデシュ
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